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【エンタメ社会学者の中山淳雄さんがコミチ顧問に就任】IP創出への新たなチャレンジ──「マンガ」から「MANGA」へ

私がCEOを務めるマンガDXのスタートアップ「コミチ」は、これまで「マンガを世界に知らしめる」をミッションに掲げ、マンガの新しい可能性を追求してまいりました。

この度、このミッションの実現をさらに加速させるべく、エンタメ社会学者の中山淳雄さんを顧問としてお迎えすることになりましたことをお知らせいたします。

中山さんは、エンタメ社会学者として日本経済新聞PIVOTNewsPicksほか、様々なメディアに出演されています。

BERJAYA
「ストリーミングや漫画アプリ攻勢…メディア復興の2025年」こう読む2025 エンタメ社会学者の中山淳雄氏|日本経済新聞

コンテンツの海外展開をライフワークとするRe entertainment株式会社代表取締役であり、経済産業省コンテンツIPプロジェクト主査や内閣府知財戦略委員を務めるほか、バンダイナムコスタジオ・ブシロードではカナダ・シンガポールを拠点にメディアミックスIPプロジェクトの推進を担当してきました。『クリエイターワンダーランド』『エンタメビジネス全史』『推しエコノミー』など、エンターテインメントビジネスに関する多数の著作を持つ研究者でもあります。

ご報告を兼ねて「なぜ中山さんにコミチの顧問就任をお願いしたのか?」について、noteに簡単に記したいと思います。


日本発のマンガだから生み出せる「独創性」と「多様性」

アニメが世界中にファンを広げていることはみなさんもご存知だと思いますが、マンガも今や世界的なコンテンツに成長しています。2023年の国内コミック市場は6937億円に達し、その中でも電子コミックの伸びは目覚ましいものがあります。以前のnoteで書いたように、米国のマンガ市場も前年度比23.2%増と高い成長率を示し、JETRO(日本貿易振興機構)によれば2030年には38.87億ドル(約6115億円)の市場規模となる見込みです。

急成長の背景には、「日本独自のマンガ制作システム」があるのではないでしょうか。それは、ハリウッドやWebtoonのようなスタジオ型ではなく、作家を中心とした少人数のチーム体制です。この制作体制こそが、日本のマンガが持つ「独創性」と「多様性」を生み出す源泉となり、日本が世界有数のIP大国としての地位を確立できたのではないかと私は考えています。

それぞれのクリエーション制作現場をたとえるなら、ハリウッドやWebtoonなどのスタジオ型は「工場」日本のマンガのチーム型は「職人の工房」です。工場では分業が徹底され、各工程のスペシャリストたちが効率的に作品を生み出していきます。一方、職人の工房では、親方(作家)とその弟子(アシスタント)が、時に工房主(編集者)のアドバイスを受けながら、作品を作り上げていきます。

Webtoonの制作を例に取ると、原案・企画、キャラクターデザイン、ネーム、線画、着彩、背景、仕上げといった工程を、それぞれ専門のクリエイターが担当しています。この方式は、高品質な作品を安定して供給できる反面、作家の個性が薄まりやすいという特徴があります。

一方、日本のマンガの制作は、「作家」の個性が作品に色濃く反映されます。例えば、コミチとして初めてグッズに挑戦させていただいた『拷問バイトくんの日常』は、業務はブラック、労働環境はホワイトという独特の設定と、殺伐とした世界観とイケメン4人組のわちゃわちゃ感のギャップで、読者の心をつかんでいます(グッズ制作の背景は過去のnoteをご覧ください)。このような独創的な作品は、作家の自由な発想があってこそ生まれるものだと私は思います。

マンガの制作過程において、出版社の「編集者」の存在はとても重要です。マンガ編集者は作家の才能を見出し、育成し、時には作品の方向性について徹底的な議論を交わすことが多いと聞きます。また、編集者は作家にとって最初の読者であり、良き理解者であると同時に、客観的な視点から作品を評価する存在でもあります。

こうした「作家」と「編集者」の密接な関係性、濃密なコミュニケーションが作品の質を高める重要な要素となっているのだと思います。

IPの「始まりの場所」にあるのがマンガ

日本が生み出す「マンガ」の独創性や多様性がアニメとなり世界中に配信されて、コスプレや同人誌などのファン創作が生まれて、グッズやゲームなど展開され、やがて世界中のファンに「MANGA」として愛されて「IP(知的財産)」として確立されていく。

そのゼロイチの「始まりの場所」にあるのがマンガです。もちろん小説・映画やゲームから生まれるものもたくさんありますが、マンガほど多くのIPを創出している場所はないのではないでしょうか。

一方で、作家や編集者が持つキャラクター設定、ストーリー展開、コマ割り、演出方法などのマンガ創作のエッセンスは、当事者だけが知っている「暗黙知」として受け継がれています。

こうした「暗黙知」に、コミチが挑戦を続けるマンガのデジタル化が加わることで、さらにIP創出を加速することができるのではないか? こうした考えを基に、エンタメ社会学者の中山淳雄さんを顧問に招き、研究の取り組みを進めていこうと考えました。

具体的には、以下のような取り組みをコミチと中山さんとで進めてまいります。

  • 「MANGA」のIP創出に関する知見の体系化

  • 作家と編集者の「暗黙知」の「形式知」化

  • 創作プロセスにおける「実験精神」の尊重と「多様性」「独創性」の促進

また、コミチは中山さんのご協力のもとで、以下の3つの方向性で「マンガ」の事業化を検討してまいります。

1. メディアミックス

作家と編集者が生み出す独創的な「MANGA」作品を、様々なメディアでの展開可能性を見すえて支援します。二人三脚の創作プロセスから生まれる多様な表現を、アニメ、ゲーム、実写化など、多彩なメディアミックスへとつなげます。

2. IP展開

「MANGA」をIPの起点として捉え、作品の価値を最大化する事業展開を目指します。著作権管理の最適化、二次利用のための権利処理スキームの整備、クリエイターの収益最大化など、IP展開の基盤を構築します。

3. グローバル展開

日本発の「MANGA」を世界に発信するプラットフォームとして、各地域の特性に応じた展開戦略を推進します。言語や文化の壁を超えて親しまれるコンテンツ・IPとなるよう、ローカライズとプロモーションの両面からサポートしていきます。

「マンガ」から「MANGA」へ

日本のマンガは、デジタル化とグローバル化の波の中で、新たな局面に入りました。その根幹にある「作家」と「編集者」が中心となる制作体制は、むしろ重要性を増しています。なぜなら、パーソナライズやマッチングなどの技術が進歩し、制作やプロモーションの効率化が進めば進むほど、作品の独創性・多様性は失われる可能性が高まるからです。

作家と編集者の「職人の工房」的な関係性は、単なる伝統ではありません。それは、現代のIP産業に必要な、独創性や多様性を生み出す重要な基盤なのです。この強みを活かしながら、新しい技術や市場の要請に応えていくこと。それこそが、「マンガ」から「MANGA」への進化を実現する道筋となるのではないでしょうか。

私たちは今、日本の「マンガ→MANGA」が新たな黄金期に入るスタートラインに立っているのかもしれません。これから、伝統的な強みと最新のテクノロジーが融合し、「MANGA」のさらなる可能性が開かれていくはずです。

「マンガを世界に知らしめる」というミッションの実現に向けて、中山さんをお迎えできることを、コミチ一同、大変光栄に思っております。新たな「MANGA」の可能性を追求し、世界中のクリエイターとファンのための革新的なプラットフォームを築いてまいります。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます!

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