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NEW GROUP

劇場公開日:2026年6月12日

NEW GROUP

解説・あらすじ

2024年の商業映画監督デビュー作「みなに幸あれ」で注目された下津優太監督の劇場公開第2作。組体操という集団行動における人間の行動心理の根底を、独特の世界観でコミカルかつシリアスに描き出す。

家族に問題を抱える女子高校生・愛は、引っ込み思案で自分の意見をうまく主張できない。海外帰りの転校生・優は自分の意見をはっきりと口にするタイプで、日本の学校の協調性を重んじる集団行動になじめずにいた。愛は優のことが気になるが、優は自分を出そうとしない愛に苛立ちを覚えていた。そんなある日、校庭で1人の生徒が四つん這いになったまま動かなくなってしまう。さらにその生徒の横にも同じように四つん這いになる生徒が並びはじめ、巨大な人間ピラミッドが形成されていく。不思議なことに、学校も人間ピラミッドを“良いもの”として参加を勧め、積み重なった生徒たちは一様に穏やかな表情を浮かべている。生徒たちが次々と集まり、ものも言わず従っていくなか、愛もなぜか朦朧(もうろう)となり人間ピラミッドに加わりそうになる。事態はやがて、地域全体を巻き込む集団怪現象へと発展していく。

「ゴールデンカムイ」シリーズの山田杏奈が主人公・愛、「秒速5センチメートル」の青木柚が転校生・優を演じ、集団を導く校長をピエール瀧が怪演。2025年・第29回ファンタジア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。

2026年製作/82分/PG12/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2026年6月12日

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(C)2026映画「NEW GROUP」製作委員会

映画レビュー

4.0 集団主義を断罪する不条理喜劇

2026年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

斬新

2018年の「カメラを止めるな!」で、ほぼ唯一の不満点が人間ピラミッドを肯定的に描いたこと。同作のレビューでは、「星半個の減は、ラストの組体操を共同作業のメタファとして感動場面に仕立てた点。エンドロールで『組体操は大怪我につながります。良い子は絶対に真似しないで!』と警告したら、事故が続いているのに頑なに組体操を廃止しない教育界への皮肉になって一層笑えたのに。」と書いた。それ以降、組体操を批判的に描く社会派作品が出てこないかなとぼんやり思っていたが、そんな期待を余裕で超える馬鹿馬鹿しいほどの壮大さと爆笑を誘う不条理で日本的集団主義を皮肉るのが本作「NEW GROUP」だ。

下津優太監督の長編商業映画デビュー作「みなに幸あれ」(2024)と本作に共通するのは、欧米発ホラー映画群から奇抜なアイデアをエッセンスとして取り込みつつ、現代日本に根深く残る悪弊や社会問題を可視化して恐怖と笑いに昇華する独特の作家性だ。前作ではムラ社会の因習と、少子高齢化で若者が老人に搾取される制度的不平等を風刺しつつ、「ゲット・アウト」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」(共に2017)の影響も感じさせた。

一方「NEW GROUP」では、軍国主義の時代から受け継がれる一致団結の精神、各自の個性を伸ばすよりも集団の規律を重んじる前時代的教育を象徴する組体操が、集団行動の異常現象として登場し、スケールも不条理さも増していく。平穏な町や都市の住人たちが知らないうちに何らかの邪悪な存在に操られたり乗っ取られたりしていく、という物語類型はハリウッドで昔からたびたび作られていて、有名どころでは「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」(1956)、「チルドレン・オブ・ザ・コーン」(1984)、「ゼイリブ」(1988)あたり。「WEAPONS ウェポンズ」(2025)は製作年が近いので直接影響を受けたわけではないと思うが、共時性が興味深い。

それにしても、人間ピラミッドのあり得ない巨大さもシュールだが、組体操の生徒らが編隊を作り人間戦車になって愛(山田杏奈)や優(青木柚)たちに迫ってくるシーンのイカレっぷりには爆笑しつつ感動してしまった。あと、生活音や手拍子で刻むリズムに乗ってラップが披露されるのは前作にもあったコミカルな場面だが、校長役のピエール瀧は本業で歌っているので意外性の点ではやや残念(前作では普通のじいちゃんばあちゃんがラップを始める唐突さも笑いのポイントだった)。

山田杏奈は初主演映画にスプラッター復讐劇「ミスミソウ」を選んだ心意気に感心したのをよく覚えていて、以降はさまざまなジャンルの作品に出演してきたが、久々に尖ったホラー作品に戻ってきた印象だ。あの「ポー」も、内心「何をやらされているんだろう」と思ったかもしれないが、大真面目に演じているのがまたいい。

ひとつ惜しいと感じたのは、最終対決に挑む際の主人公側の戦い方。映画的なスペクタクルの点ではあの対決で盛り上げる意図もわからなくはないが、願わくは各人の自由意志と個性を貫くスタイルで対峙してほしかった。集団主義への風刺がぼやけてしまうようで、もったいないと思う。

とはいえ、下津監督のユニークな作家性は明らかであり、変に丸くなったりせずにこれからもますます尖った映画を極めていってほしいと期待する。

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高森郁哉

3.0 ▲vs●

2026年7月30日
スマートフォンから投稿

笑える

怖い

斬新

ただ山田杏奈がみたくて鑑賞。

ストーリーは正直意味は分からない。ホラーらしいが、なんとなくミステリー要素や風刺要素もあるかなとぐるぐる考えたが、最後の方はナンセンスな勢いに押され、シュールな漫画みたいな映画ということで落ち着いた。ガロとかに出てきそうな漫画。
嫌いじゃない。

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とうふ

未評価 大ぼらの暴走

2026年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 女子高生・愛が通う学校の校庭に、超巨大な人間ピラミッドが突然築かれ始めました。校長もこのピラミッドへの参加を呼び掛けます。すると、クラスメートや友達も次々とピラミッドに組み込まれて行くのでした。SNSを通じてこれは話題になり、街の人々も何故かピラミッドを作ったり組体操を始めました。何だかゾンビの様な不気味な広がりです。

 「なんじゃこの映画?」

と暫しアングリ状態になります。別にピラミッドの謎が明かされる訳でもありません。恐らく、同調圧力や付和雷同性をシニカルに視覚化した物語なのでしょう。でも、こんな大ぼら物語を一体どうやって収めるのだろうと、ニヤニヤしながらも不安を抱いて観ていたら、更に大ぼらでまとめ切りました。

 ま、こんな映画もあっていいんじゃないでしょうか。

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La Strada

3.5 集合体恐怖

2026年7月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

映画が違うが、「チェンソーマン」の世界なら、「集合の悪魔」っていたら強いんだろうなあ、という
根源的な、集団への恐怖を感じさせる映画。

誰でも属さねば生きていけない。
属して守られたい。属して安心したい。とりあえず属しとけば大丈夫と信じたい。
みんながやってればだいたいオーケー、責任は自分にはない、とりあえず多数派につく、みんなが変だと思わないなら変じゃないんだろうきっと。みんながいいって言ってるからいいんだろうきっと。
そんなことを思いたがる、そんなふうに流されずにいられない人間の性質につけこむ侵略者。

学校の行進がまず扱われる導入も良かった、あれ、小学校でやらされたなぁ、足並みが揃わないクラスはずーっと全校朝礼後もやらされて、いつまでも運動場をグルグル回ってた。1時間目が終わるまでやらされてた。
制服を着てあれをやるところを外国人が見たら、気持ち悪いだろうなぁ。日本に軍国主義が残っているからだと思うだろう。まあ、あんなもの、たぶん、軍国主義の名残なのであろう。仰せの通り。

それにしても組体操で侵略するなんて、シュールだわ。でも怖いよ。
軍国主義とのつながりから、独裁化、戦争などへの予感的恐怖もじわじわくる。

わたしたちはひとつひとつのセルにすぎないが、しかし、自分で生きているセルなのだ。人形ではない。

でも人類にはまだ、ちょっと、「三項目の計算式」は難しかったようである。
なんだかちょっと最後は、ゲーム版「パラサイトイヴ」(スクゥエア)のラストを思い出したな、なんて言ってわかる人は⋯⋯いたら嬉しいな⋯⋯

どうしても、人間はニ項対立になっちゃうんだろうか。主演の女優は、なかなか、真剣にシュールな体当たり演技しててよかった。

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yuki*